みなさんこんにちは。マーケティング部の田中です。今日は発売から3年、累計販売数が100万個を突破したヒット商品「メダカ元気 卵のお守り産卵床」の開発秘話を、今回の開発に携わっていただいた協力会社のみなさまとのエピソードなどを交えながらご紹介できたら、と思います。

まず、なぜこの商品がここまでメダカ愛好家のみなさまのご支持をいただけたのか。それは、まずはこの商品の大きな特徴である「カビを防ぐ」というこれまでにない機能面であると思います。

しかし、購入いただいたみなさまのお声を聞いていると、大変嬉しいことですが、私達がこだわったポイントに対して、しっかりと実感いただいていることがわかりました。

ジェックスがメダカ産卵グッズの開発に力を入れ始めたのは今から5年ほど前。社内にメダカ好きもたくさんいましたが、私はまず開発担当と日本でも著名なブリーダーさんを訪ねて、色々ノウハウを教えていただきました。そして同時に、メダカを飼育しているユーザー様のお宅訪問を繰り返して、メダカ飼育に関連するお悩みや、独自の解決方法などを本当にたくさん聞いて集めました。

産卵や稚魚を育成することを楽しみにしている人が数多くいる一方で、同じように産卵や稚魚育成に悩んでいる、「楽しみ=悩み」という、マーケティング調査をする中で珍しい事実にも出会いました。この「悩み」をなんとかして解決できないか、と開発チームと議論していた最中、そうです、「運命の出会い」があったのです!!

東洋紡さんとのコラボレーション

大変ありがたいことに、ジェックスには色々な技術やノウハウを持つ企業様から様々なご提案をいただいています。メダカオーナーの悩み解決にみんなで知恵を絞っていたまさにそのとき、東洋紡さんから「カビや細菌の繁殖を抑える機能繊維」の紹介を受けました。はじめは開発チームと「濾過材に使ったらどうだろう」「コケの発生も抑えるかもしれない」などと検討していたのですが、そのときたまたま、インターネットで見た、100円ショップで売られているスポンジを改良自作した「メダカの産卵床」を見てしまったのです。『この産卵床に、東洋紡さんの繊維を使ったら、卵のカビを抑えられるんじゃないのか!!!???』そうです、東洋紡さんの技術力と、ジェックスの発想が結びつきました。

開発担当者がすぐに繊維を取り寄せで、まさしく「産卵床を自作」して、カビの発生度合いを検証。初期検証からまずまずの結果が出ました。

その検証と同時に、著名メダカブリーダーを訪ねて、どういうスポンジで、どんな色で、どんなやわらかさと長さが理想か、などなどたくさんのヒントをいただきました。そのヒントの中から開発実現度を図りながら仕様決定したのが、現在販売している「メダカ元気 卵のお守り産卵床」です。

左:卵のお守り産卵床 右:手づくりの産卵床

この商品を良く見ると、緑色のスポンジにふわっとした白い繊維が混ぜ込んであります。まるでホテイ草の根っこの繊維のように、卵が絡みつきやすくする工夫です。そして、もう一つの特徴はその「やわらかさ」です。スポンジ自体も専用開発しているので、メス親にもやさしく、水を含みやすい素材に仕上げています。卵が産み付けられているかを確認するときにも、卵を乾燥させたくない、そんな開発者の想いが込められています。100円ショップに売っているような、家庭用のスポンジは繊維が固く、メス親を傷つけてしまうかもしれない、そんな心配がなくなりました。

このスポンジ部分は取っ手から簡単に外せるので、産み付けられた卵を採卵しやすく、簡単に取っ手に挟み込むことができます。取っ手は4色に色分けされています。これは飼育している品種や産卵時期、容器によって使い分けることで、飼育者さんが区別しやすくなるように、という工夫です。

そしてそして、このスポンジに含まれる東洋紡さんの“銀世界”という特殊繊維こそが、無精卵などに付きやすいカビが有精卵に広がるのをおさえ、通常の産卵床を使用した場合と比較して孵化率が約2倍になる(※GEXラボ調べ)という、この商品の最大の特徴を生み出しています。しかも、この繊維の凄いところは、繊維に触れたものにしか抗菌作用を発揮しないので、水中にいるバクテリアや微生物に影響がない!というところ。安心してメダカの卵を守ることができるのです。

発売後3年間で累計販売数が100万個(※バラ換算)という大きな数字となりました。メダカ飼育者のみなさまにも喜んでもらえて、メダカの卵を守れる商品としてメダカさんたちにも喜んでもらえていたら最高に嬉しいですね。

今年のメダカシーズン、是非、この「メダカ元気 卵のお守り産卵床」でたくさんの仔メダカさんと出会っていただけたら、と思います。

※カビを抑える効果のない類似品もございますので、ご注意ください。