ジェックスのガラス水槽はほぼ100%、ジェックス自社工場(インドネシア)でAGCグループのガラスを使用して製造されています。良質なガラスと、高い技術力で製造された水槽たちも、残念ながら運搬途中や流通途中で割れてしまうことがあります。

割れてしまったガラス水槽、どうにか生まれ変わることはできないか…そんな想いから誕生した社内プロジェクトのお話です。

割れてしまった水槽たち

ジェックスのガラス水槽は年間数十万本という大きな数量が流通しています。そのなかで運搬途中に割れてしまうことがどうしても起きてしまいます。割れてしまった水槽たちは、これまで産業廃棄物として処分してきました。しかし、SDGsへの貢献を企業活動の一つとして進めている今、この状態を問題として捉え、少しでもいい、一つでも多くの水槽たちを蘇らせることはできないか、ということで社内若手メンバーを中心にプロジェクトが始まりました。

割れてしまった水槽たち

水槽には種類によっては樹脂枠がついています。また、すべての水槽は接着用のシリコンが付着しています。ガラスを再生するための炉は1100℃以上になるため、少量のシリコンは問題になりませんが、プラスチックの樹脂枠は完全に外さなければなりません。

ガラスから樹脂枠を外したり、水槽自体を解体するのは手作業。ダイヤモンドカッターで溝を付けて割っていきますが、樹脂枠を外すのは一苦労。専用の手袋をしっかりつけて、ガラスでケガをしないように、慎重に作業します。ちなみにこの作業をしているのもジェックス社員。ガラス水槽解体のための機材も揃えました。

こうして集められたガラスたち。これからガラスを再生してくれる、勝沼ガラス工房さんへと向かっていきます。。。

ガラス再生加工のプロの技に感動

1130℃という高温の炉に入った元ジェックスのガラス水槽たち。ゆっくり溶けながら、次の姿に生まれ変わるのを待ちます。

線香花火のように筒の先にくっついたガラス。ここから職人の技でゆっくりと膨らませていきます。

おお、、、だんだんとグラスアクアの形になってきました!!!ここから仕上げに入っていきます。。

ガラスを吹いて膨らませたら、グラスアクアの上部分はカットして穴を開けますが、反対に底部分はガラス底部分をくっつけなければなりません。ここも職人の技です。

出来上がったグラスアクア。でもまだ完成ではありません。ここからアニール処理、と言って熱で膨張したガラスを安定させるための処理を行います。これは、水を張る容器だからこそ重要な工程で、この処理をしないとガラスの厚みや歪みによって、ガラスが割れてしまうこともあります。

ジェックスはガラス水槽製造のプロですが、グラスアクア(丸いガラス容器)を膨らますのはやはりプロにはかないません。ジェックスオリジナルのグラスアクアと、今回再生するグラスアクアはサイズや色、また形状もちょっと異なりますが、心を込めて手づくりした、というプロセスはまったく一緒。

製造するのはごく数量なため、店頭販売ではなくジェックスオンラインショップでSDGs思想の環境配慮グッズとして販売を予定しています。

こんなかわいいフタもつくっちゃいました(笑)

2023年2月、ジェックスオンラインショップで発売予定です。詳細はSNS等で配信いたします。