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研究・開発

有機物分解のメカニズム

図11は小型のメダカ水槽です。この水槽でもフィルターや水槽壁で類似したフィンガープリントが得られたことから、菌相の類似性が示されました。良い細菌であるバチルス属の生息が検出されました(オレンジ色)。

図11「水槽例4 メダカ水槽の菌相」

図11「水槽例4 メダカ水槽の菌相」

図12は水草のレイアウトを主体とした水槽です。この水槽でも砂、フィルター、水草、水槽壁の菌相の類似性が示されました。しかし、アエロモナス(赤色)や大腸菌(オレンジ色)などが検出され、水槽としての健康状態が悪いことが分かりました。

図12「水槽例5 水草水槽の菌相」

図12「水槽例5 水草水槽の菌相」

図13はクマノミやコバルトスズメを飼育する海水魚水槽です。この水槽では海水環境下での常在細菌であるシュードアルテロモナス(オレンジ色)などが検出され、健康な状態であることが分かります。

図13「水槽例6 海水魚水槽の菌相」

図13「水槽例6 海水魚水槽の菌相」

バクテリアの増減に関する要因

魚病発生時に、アクアリストの方々は種々の薬剤を投与された経験があると思います。一般にこれらの薬剤は水槽における菌相に悪影響を与えると考えられてきましたが、科学的な根拠はこれまで示されていませんでした。そこでこれらの薬剤が菌相に与える影響を調べてみました。
ろ過材に常在するバクテリアを調べた結果、これらの薬剤を添加しても、ろ過材に常在するバクテリアの種類に変化を及ぼさなかったことから、魚病薬が菌相に与える影響は少ないと考えられます(図14)。また、ろ過材の水道水洗浄がバクテリアに及ぼす影響についても科学的根拠がないため、いつも不安に思いながら水道水洗浄を行っている人も多いと思われます。一分間水道水でかけ流しを行った結果、図15に示すように菌数は1/6程度に減少したことから、水道水洗浄は菌数を大幅に減少させることが分かりました。しかし菌数は0になっていないことから、このろ過材を水槽に戻せば菌数はもとに戻ると考えられますので、軽い水道水洗浄ではろ過材に常在するバクテリアに対する影響は少ないと考えられます。

市販のバクテリア商品の効果についても実際の検証例がないため不安な気持ちで購入されているアクアリストの方も多いと思います。図16は5種類の市販のバクテリア商品をデンプンを含む寒天プレート上に撒いて、酵素であるアミラーゼ分泌能力を比較したものです。その結果、ジェックスのベストバイオやCのように強いアミラーゼ活性を示すものもあれば、A、B、Dのようにアミラーゼ活性が弱いものも見られました。このことから、市販バクテリア商品に含まれているバクテリアの過剰投与した餌の分解能力には大きな差が見られることが分かりました。

図14「薬剤耐性試験結果」

図14「薬剤耐性試験結果」

図15「水道水洗浄試験結果」

図15「水道水洗浄試験結果」

図16「市販のバクテリア商品の能力測定(デンプンの分解活性)」

図16「市販のバクテリア商品の能力測定(デンプンの分解活性)」

図17はバクテリアとろ過材の組み合わせについて示しています。これまで述べたように、酵素結合に優れたろ過材と酵素分泌能に優れたバクテリアを用いると、バクテリアが分泌した酵素がろ過材に結合し、高い有機物分解力を持つ水槽環境が形成されます。一方酵素分泌力に劣るバクテリアと酵素結合力に劣るろ過材の場合は、過剰投与された餌を効率的に分解できないため、過剰なバクテリアの増殖を招き、水槽内の酸素濃度低下、そして水槽環境の悪化を招きます。

図17「バクテリアとろ過材の組み合わせ」

図17「バクテリアとろ過材の組み合わせ」

※本原稿を作成するにあたり、京都大学農学研究科 豊原治彦 准教授に多大なる協力をいただきました。

この研究に関連するジェックス製品

  • 「ベストバイオ」

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    自然から採取した4種類のお掃除善玉菌を休眠状態で新鮮パック。
    水槽底の魚のフンや残餌、枯草、砂利の中の汚れをすばやく分解、除去。